アメカジ界隈にも紺ブレが席巻中だ。
30年前、アイビー野郎御用達のキレイめエレガント範疇のブレザーに、正反対のカジュアル3K職場代表のジーンズを組み合わせたヤツが出た時は、さすがにみな横目でそいつとまわりの反応をかわるがわる見回していただけだった。
英国源流に、ジーパンはやりすぎだろ。
しかしそこは何でもありの子どもの国・アメリカ。旧宗主国に失礼などということを口に出すヤツは一人もいない。
このトンデモコーデの命を救ったのが、ブレザーにわずかに乗っかっているスポーツテイスト。ここがスーツとの違いなのだが、そのカジュアル性が首の皮一枚でデニムとつながったのだ。
さすが、月に人を送り込みインターネットを生み出した御国。伝統という邪魔ものがいないだけに夢を開く。
それにだ。
ブレザーとジーンズという別世界のものをギリギリでつなげたゆえに、その長大な距離感を埋めるため、やらなければならないことが多かった。
その分、コーデの自由度がしたたかに広がったんだ。
シャツはどうする? →下がジーンズなんだからTシャツでも。
靴は? →あえてスニーカーでなく黒のローファーあたりで閉じりゃ、ブレザーにつながるぜ。
パンツの幅は? ネクタイは?・・・
言わば何でも放り込むことができる巨大な穴みたいなもの。
おまけに、ネイビーという色の持つ凄まじさ。全てを苦もなく飲み込んでくれる。
許される試行錯誤の幅が大きい。これが紺ブレ席巻のミソ。
大人ぶらずに子どもになりきれば、思いもよらない世界が広がる。
日本も気がつけばOECD13か国中最低の成長率で今や世界でも「安い国」。
この憂き目から脱出するには、子どもの気分になってやり直すしかない。
きくちよKG|note
編集ライター。コピー/コラム/インタビュー/取材/文芸評etc。自分にしか書けないことを誰にもわかるように書く。ポップなPR調から、アイテムを生活ストーリーで語るコラム風、公式広報文体まで。分子栄養学。ソバキュリ。ちょいモード系。
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