TVドラマ 小説・掌編 『妄想図書館の女』 年末の図書館は平日でも混み合っていて、ブスブスとなにやら口から異音を立てて通りすぎるリュックの若い男や、歩くラインとスピードが定まらなくって、つまりあるのかないのかわからない妙なリズムに気づいた周囲に一呼吸分だけ間合いの距離を要請する御老... 2025.06.14 TVドラマ
思想・哲学 ブンガクって逃避? それを聞き捨てならない人、それが当たり前の人。 人々の最後列で丹念に落とし物を拾っていく いつだったか作家の高橋源一郎さんが講演で、「文学は逃避だ」と、苦笑しつつあきらめ顔で叫んでいたのを聞いて、ぼくは哀しい気持ちが湧き起こりながらも、同時に「やっぱりな」という思いも抑えることができませ... 2025.06.10 思想・哲学
エッセイ ピュアな出来損ない。偉大なるネーミング「ゆるキャラ」に宿る体温の正体。 ダサくうっとおしい。でも捨ておけない 物産展などで、所在投げに突っ立っている。 遠慮がちに手など振ったりしている。 小さな子どもが時おり興味を示す以外、遠くからチラと見るぐらいで、近づく人はいない。 なんかへんなものがいたな。 その程度の... 2025.06.05 エッセイ
エッセイ 「知る」はサミシイ。「驚く」はいつもワクワク。だから「不思議をただ驚いていたいんだ」 国木田独歩。 「びっくりしたいというのが僕の願いなのです」「宇宙の不思議を知りたいという願ではない、不思議なる宇宙を驚きたいという願です!」「死の秘密を知りたいという願ではない、死という事実に驚きたいという願です!」国木田独歩『牛肉と馬鈴薯』存在理由が欲... 2025.06.01 エッセイ