小説 ピンポン恐い。小2の夏 子どもにとってはコーフンの夏休み突入も、十日も過ぎれば満喫ぐあいも冷めてきて、ヒマを持て余しだします。 あれはぼくが小2の頃、セミも鳴き疲れるそんな夏の午後のことでした。 毎日のように通った小学校プール開放もその日は休み。 昼にそうめんを... 2023.10.24 小説
小説 梨木香歩『家守綺譚』 自分の内面を掘り続けても、閉じたナルシズムが待っているだけ。その先に出口はない。 自分の内面を掘り続けても、閉じたナルシズムが待っているだけ。その先に出口はない。 2023.10.17 小説
小説 「片腕」川端康成 「片腕を一晩お貸ししてもいいわ…」 川端文学のパワフル&誠実なるも危うい美。 「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」と娘は言った。そして右腕を肩からはずすと、それを左手に持って私の膝に置いた。 2023.09.10 小説
思想・哲学 酒を憎んで人を憎まず。町田康「しらふで生きる 大酒飲みの決断」 作家・町田康さんは30年大酒飲みを続けてきました。 その彼が数年前、ふっと酒を絶って思うことを書いたのがこの本。 脳はアルコールの何を欲するのかということから、「さびしく閉じた」人間の悲哀を語ります。 つまり、何を持っているか知らんが「自... 2023.09.04 思想・哲学
ビジネス書 まだ本気出す時ではない人なんだって! 「引きこもラー」の正しい存在意義。 「働かないアリに意義がある」長谷川英祐(進化生物学者)ヤマケイ文庫 サブタイトルが「社会性昆虫に学ぶ、集団と個の快適な関係」とあるように、「働きアリ」の集団生態の様子を人間社会に例えながら解説した本。 長谷川さんは進化生物学者なのですが、... 2023.06.11 ビジネス書
思想・哲学 世界に違和感を感じる人が、世界をカッコよく承認する方法。 「君と世界の戦いでは、世界に支援せよ」加藤典洋 1988年 筑摩書房 加藤典洋は「敗戦後論」で有名になった文芸評論家です。 「君と世界の戦いでは世界に支援せよ」はカフカの詩集のなかの言葉。 この本は村上春樹や安部公房、フローベールを採り上げ... 2023.05.14 思想・哲学
小説 東京ヤクザ vs 関西ヤクザ。ライター対決の巻。 3か月前から始めた50本の記事執筆がようやく終わりに近づいた。 chatworkで担当のM女史にいつもの記事納品の報告をした際にちょっと営業しようと、「他に案件あれば、今回のテーマに限らずどしどし書きまっせ云々」と追伸。 うまく『じゃ急ぎ... 2023.04.29 小説
思想・哲学 「紺ブレ」に学ぶ日本再生。大人ぶらずに子どもになりきれば、思いもよらない世界が広がる。 アメカジ界隈にも紺ブレが席巻中だ。 30年前、アイビー野郎御用達のキレイめエレガント範疇のブレザーに、正反対のカジュアル3K職場代表のジーンズを組み合わせたヤツが出た時は、さすがにみな横目でそいつとまわりの反応をかわるがわる見回していただ... 2023.04.22 思想・哲学
小説 いつか、はっきりさせねばなるまい。村上春樹の正体。 いつかはハッキリさせねばなるまいな、と思っていることが二つあって。 この山越えのわが通勤路にある活きのいい看板。 以前は「西宮甲山乗馬クラブ」と矢印だけのフツーの看板だったのに、10年前に、このケンカ腰看板に変わった。 なにこの挑戦的な物... 2023.04.18 小説
ビジネス書 チョー地味な南インド料理本がただモノではなかった件。料理本はhow-to本。写真集ではないのだ。 インド料理といえば、ナンとタンドリーチキンだが、この料理の元は、インド北西部の一地方の料理。 だからこれは、日本料理といえば、寿司とてんぷら、といっているようなもので、ネイティブの日常食ではないのだ。 「南インド料理」の本髄を実践派として... 2023.04.15 ビジネス書