小川洋子

思想・哲学

ブンガクって逃避? それを聞き捨てならない人、それが当たり前の人。

人々の最後列で丹念に落とし物を拾っていく いつだったか作家の高橋源一郎さんが講演で、「文学は逃避だ」と、苦笑しつつあきらめ顔で叫んでいたのを聞いて、ぼくは哀しい気持ちが湧き起こりながらも、同時に「やっぱりな」という思いも抑えることができませ...
小説

「うまくいっている」時、恐るべき退屈の大穴が待ち受けている。沢木耕太郎編「心に残る物語ー日本文学秀作選 右か左か」

 物語を書くっていうのは、とつとつと湧き出すように出てくる言葉を、湧き出すまま書きつけているのだと思っていました。 そのうち、小説といってもそれは書き手が意図する入念なる計画の下に数々のパーツを組み合わせて作りだした「言葉の建物」だと知って...